木霊 (TARUSU)
森林施業研究会ニュ−ズ・レター 
No.23 2004.3.3.
Newsletter of the Forest Management and Research Network


第9回森林施業研究会シンポジウム「長伐期施業の可能性を探る」に参加を!
 一般に林業の生産期間は長い。通常の木材生産においても伐期は50年―60年を想定する。ところが、近年、この伐期がさらに延びる傾向を示している。その背景には言うまでもなく木材不況がある。「伐っても売れない、買い叩かれる」状況では、とりあえず、木材が腐るわけでもないから、様子を見ようという心理が伐期延長につながり、結果的に長伐期施業(?)に結びついている。しかし、長伐期施業は、必ずしも消極的選択とは言えないように思われる。これまでの通常の人工林施業(中径木並材生産)では、その基調に材積成長最大を想定した生産力信仰が置かれてきた。したがって、生産の持続性や生物多様性、生態系の健全性などという概念は、脇に追いやられてきたと言ってよい。今日、現状の後追い的な(へ)理屈や政策とは言え、長伐期施業が政策的に推奨され、従来の大径木良質材生産の目的のみならず、森林の持つ多面的機能発揮を図る上で、目指すべき森林管理・施業の一つとして位置づけられている。確かに、300年以上もの寿命を持つスギ、ヒノキ、カラマツといった樹木が50−60年で作り出す森林は、どう考えてみても未成熟な森林である。可能であれば、成熟した森林を維持し、その中で木材生産が図れれば森林経営の理想とも言える。そうした意味で、長伐期施業は多くの可能性を持つ。しかし、一方、高齢級人工林に関する林学的、生態学的情報は圧倒的に不足している。今シンポジウムでは、長伐期施業が目指す高齢級人工林の成長、構造、そして機能の一部を検証し、さらに実験的な取り組みを紹介頂き、長伐期施業の可能性を論議したい。多数の参加を!

第9回森林施業研究会シンポジウム
日時:4月4日(日)9:00〜12:00
場所:農学部2号館化学3番講義室(106号室)
テーマ: 長伐期施業の可能性を探る
話題提供:
1.高齢級人工林の成長と成長予測
   竹内郁雄(森林総研・四国支所)
2.秋田地方におけるスギ人工林の長伐期施業
   澤田智志(秋田県森林技術センター)
3.人工林の高齢大径化に伴う野生動物の生息場所形成
   大場孝裕(静岡県林業技術センター)
4.長期育成循環施業の試み
   石神智生(関東森林管理局森林技術センター)

  

林学原理主義者も、そうでない人も、全国交流会(前夜祭)に集結せよ!
今年もシンポジウム前夜、恒例の全国交流会兼研究会総会が開かれます。今年は林学会が自己消滅する記念すべき年。今まさに、「林学」最後の砦となろうとしている森林施業研究会を死守せよ!などと堅いことは言わないで、とりあえず、林学原理主義者も、そうでない人も、武器(体力、知力、想像力)と参加費(3000円程度)を持って集まってください。参加申し込みは、事前(10日前までに)に宴会幹事までお願いいたします。


上の地図をクリックすると拡大図が出ます



交流会幹事:正木 隆(農林水産省 農林水産技術会議事務局)
Tel: 03-3502-8111 (内線5069)
E-mail: masaki@affrc.go.jp

「森林の回廊3:考えよう、やってみよう、伝えよう〜環境林業」の報告

(報告者:森倶楽部21 横地泰英。NPO法人信州そまびとクラブ 杉山要)


今回の参加者


はじめに
 近年、森林や林業から遠いところにあった市民のあいだで、森林のもつ多様な機能に関心を示す人々が増えはじめている。また、それに伴い、森林に関係するNPO活動や、Iターンに代表される異業種からの林業への参入者の増加が見られることも、多くの関係者の認めるところではないだろうか。

 このような状況下で、市民レベルの活動や意欲ある林業事業者のネットワーク化と、正しい林業の知識・技術の習得、及び普及啓発を目的として、長野県内各地を巡回して開催されているのが、今回報告する「森林(もり)の回廊」である。

 2001年11月に菅平高原三日城で開催された第一回。2002年11月に大町市で開催された第二回に続き、今回は昨年11月のプレイベントに位置づけられた塩尻市での公開フォーラムと、佐久市大沢財産区にて実技編が開催された。

 公開フォーラムには、行政、学生、事業体、現場技能職員、森林ボランティアなどから約100名が参加した。また、2月6日から8日までの二泊三日の実技編の参加者は約60名。開催二日目の天然生広葉樹林の施業実習には、全国各地から合計107人が参加し、これまでの最多となった。


公開フォーラム
 2003年11月3日、長野県林業総合センターで開催されたフォーラムでは、(社)日本林業技術協会の藤森隆郎技術指導役をお招きしての「環境・生態系保全と経済林業の融和」をテーマとした講演と、県林務行政、野生鳥獣害対策NPO、野生動物研究者らによるパネルディスカッションを行った。

 講演では、国の森林・林業基本計画が木材生産から公益的機能にシフトしたと言われるにも関わらず、理論ができておらず、費用対効果も曖昧なままであるとの現状把握。木材生産との両立を照準しながら、森林の多様な機能を最大限に引き出すための議論が不可欠であり、林分の発達段階によって異なる多様な機能を時系列で捉え、認識しなおし、計画に役立てる必要性。循環型社会と言う地域の性質を損なうことなく、多様な生物・自然を守る優れた林業技術者を育てることの重要性が説かれ、生活林という考え方を加えたグランドデザインをすべきである、との提案が行われた。

 午後のパネルディスカッションは、これまで信州の森林という同じフィールドを糧としながら、互いの情報や考え方を共有することの少なかった者どうしが討議するという設定であった。互いが理解を深め、施業手法の工夫により野生生物とのより良い共存の道を探ることはできないか、との討論を通し、聴衆が改めて確認したのは、地方自治体レベルでの、この種の取り組みの圧倒的な不足と、せめて人間の生活域を取り囲むような形で、かつて見られた、人々が暮らしのために利用する森林を再生するにはどうずれば良いか、という問いかけであった。


実技編

 2004年2月6日午後

NPO法人Woodsman Workshop 水野雅夫氏の講演:「カーボンオフセットからカーボンバランスへ」

 Woodsmanでは、現場からの提案とその実践を念頭に、昨年までに4回開催した林業Iターンミーティングや林業環境教育での間伐体験など、林業事業体として様々の新しい取り組みを行っている。

 講演ではまず、温室効果ガスの特徴や京都議定書批准などの基本的な背景の説明が行われ、日本のCO2削減目標6%のうち、森林での吸収量として認められた3.9%(1300万炭素トン)の実現が、現行の情報管理体制では困難なこと。造林補助金の流れから、民有林での吸収量に関する主導権を、林野庁が主張する可能性が大きいことが指摘された。

 休憩をはさんだ第二部では、「森林のもつ多様な機能」を、中山間地域に新産業を興すきっかけと捉えて活動を行っていること。岐阜県での保安林整備事業が、参入可能な限られた事業体の既得権を守る病巣と化しているとの認識。民有林施業にあたっての障壁。大面積の施業をこなすプロが圧倒的に不足しており、人材を育てようにも、その環境を整えることができない。などの報告が行われた。

 また、大手企業がこぞって環境問題に取り組む中、ほとんどが国外の森林での活動に関するものであり、エコプロダクツ展示会でのアンケートに至っては、職業記入欄に「林業」という選択肢が無いほどに国内の林業が忘れられている様子や、森林保全に配慮するため、定款に育林業を加えて山づくりを行っている新聞社の紹介も行われた。

 次にカーボンオフセットに関する報告が行われた。

 Woodsmanが、前出の環境社会実験を行うまでの経緯は、以下の通りであった。

 当初、MIRA (総合研究開発機構)でまとめられた「エネルギーから見た中山間地域の活用」というレポートをきっかけに、まず地元郡上八幡で勉強会を開催した。その結果、中山間地での林業の収益性向上を目的に、森林のCO2吸収機能に都会からの何らかの資金誘導を計れないかということになった。

 都会で排出されたCO2の吸収→吸収木1本ごとの成長と経歴の管理→伐採と認証材としての製品化→廃棄時の炭化、というイメージを実現するため、2003年2月に、名古屋のNPOが開催したクラシックコンサートで消費された電力量から、排出されるCO2量を計算し、それを北海道下川町のトドマツ1本と岐阜県郡上郡高鷲村のスギ1本が吸収する、という想定で環境社会実験が行われ、現在も吸収木の成長の測定が行われている。

 この実験では、ある行事に関わって排出されるCO2の全量の算出が、現在の技術では不可能であることが改めて確認された。はっきりと算出されたものは、使用した電力量から導き出された29.78(CO2t)で、二本の針葉樹で3年2ヶ月かけて吸収されるということになっている。 

 造林補助金が今後も継続するという保障はどこにもなく、森林整備の新たな財源として、CO2を排出する側の期待と、吸収側の責任を持った施業という顔の見える関係は有効であり、都会の人々の森林に関する論議や理屈がお金となり、国土緑化推進機構等を通じて森林整備に費やされる、という仕組みの必要性が指摘された。

 最後に、カーボンオフセットの考え方の中で、バイオマスエネルギー利用によるCO2排出量は、ある年月の中で相殺できても、化石燃料利用による排出分は相殺できず、せいぜい抑止にしかならないのではないかとの理由から、オフセットに替わる言葉としてカーボンバランスという言葉が提唱された。また、この仕組みを正しく運用してゆくための組織も必要となることが指摘された。 


カーボンオフセットの調印式

 講演に続き、今回の行事期間中に使用される電力量から算出されたCO2を、実技を行う佐久市大沢財産区が所有するカラマツが吸収する、という想定で、県内では初の合意書への調印式が行われた。

 まず、信州そまびとクラブの工藤から、今回の排出量の算定結果と、これを27年生のカラマツ一本で2年間吸収する

との方針が説明され、吸収側として、佐久大沢財産区議長の土屋吉利氏。排出側として、森林の回廊実行委員長の熊崎一也氏が登壇し、熊崎氏による合意書の朗読と、カーボンオフセット試行の宣言が行われた。

 今後、吸収木の選定とモニタリングが、財産区と実行委員会の協働で行われる。 


 2004年2月7日午前

長野県林業総合センター育林部 小山泰弘氏の講演と実習:「佐久市大沢財産区有林での広葉樹林の施業」


 「環境林業」という視点に立ちながら、木材生産の場として森林をどのように生かしていくのか。

 実技編の場としてすでに選定されていた天然生林は、ちょうど人々の生活域に接する場所でもあったため、フォーラムで得られた問いかけに、あるモデルを示す、という意味では最適の場であった。

 近年、県内の施業現場では「広葉樹を保残する」と仕様に謳うことが少なくなくなったが、どのような基準で、何を保残するのかという具体的な指示ができないため、この実習には、それを学びたいと望む現場技能職員が殺到した。

 30センチ近い積雪の斜面に集まった参加者の眼差しは、どれもみな一様に真剣であった。

 まず、里に近い森林の、蔓に覆われ、藪の発達した部分は、水分の保持や動物の隠れる場所としての機能を持ち、それらにとり重要であるとの説明が行われた。

 次に、地域の人々にとっての生産資源の性格から見た、広葉樹林での選木方法が提案された。

 以下は、記録文の形式とする。



 将来役立ちそうな樹種はどれか、まず人間のためになる将来売れそうなものを残す。生物にとっても、ある種には太い木、また、ある種にはうっそうとした森が好まれることもあるだろう。しかし草原を好むものも居るのだから、これらがモザイク状に配置されることが好ましい。

 大きな木であれば、一般的により値打ちがある。したがって、できるだけ早く、大きく、使える木をつくることを考えるべき。材木として最低そろえたい条件は、末口30センチで、2m。これだけあれば板を挽くことができる。したがって市場にも売れる。そのためには、低いところで太い枝の出ているものを育てても、あまり意味がない。

 現地のような広葉樹林の場合、ヘクタールあたり何本伐るかではなく「この木あの木」の世界である。樹種はその土地で優勢なものを選ぶ。

 次にケンカをしている木のうち、邪魔になっているものの見極め方法について。木をゆすってみると、残したい木に、樹冠で競合しているものが良く分かる。これを伐ってやることで、残す木の枝が発達し、太ることができるようになる。逆に樹冠ではなく、残す木に遅れて接している木について。このいわば日陰の人生をおくる木には、大事な役割がある。林内の湿度を一気に下げないなどの、環境の急変を起こさせない役割がある。

 下の細かな木々を残すことで、蔓や笹の茂ることを押さえることができる。ここの場合、下層を多少は暗く保ち、上に出たものだけを太らせるようにするのが良いのではないか。

 以上のように、広葉樹施業とはそれほど手間のかかるものではない。ところが、役所で基準を作るとなると難しい。

 樹高の7〜8割まで枝下が枯れ上がった木は、太ることができない。岐阜での実例から、枝下を6mに押さえた場合、樹高10mで胸高30cmぐらいにしか太れなかった。枝下高は2〜6mにするのが広葉樹施業の基本。下層木を刈って明るくしすぎると不定芽が出てフシになる。残す木に近接する下層木を残すことも大切。後で差が出る。

現地で小山氏の説明を聞く参加者たち


 解説に続き、現場で質疑応答が行われた。 


 問い:「このように施業をして、実際に10年後の姿を確認したかどうか」

 それほど長くはやっておらず、まだ確認していない。県も指針は出していない。

 大正時代の広葉樹施業の記録に、上層間伐をし、利用径級になったものから伐ったものがある。これは、ひとつのやり方として良いのではないか、という提案にとどまると思う。



 問い:「病害虫の有無は選木の基準になるか」

 基準になる。クリはクリタマバチ。ナラはシロスジカミキリ。低標高地のブナやケヤキにはクワカミキリ。等に侵される。それぞれ外見で見極める目安がある。



 問い:「200年の大径材に成長後、伐採し、どのように更新するのか」

 100本/haとして、一本伐ったところに100m2開くと、次世代がすぐに供給される。択伐的に抜けば苦労なく更新される。



 問い:「まっすぐなものを残すのか」


 この山ではおそらく、樹高3m以上のもので、1万/ha〜5万/haという密度。そこにあまり早い時期に手を入れない方が良い。横へ行きたがるという広葉樹の性格上、側木が有った方が良く、上に行く木が決まり、枝下高が確保できた段階で、残す木に光の邪魔となるものを抜いてゆく。



 問い:「カラマツ、アカマツの下層の広葉樹すべてを除伐するのは、良い影響を与えないということか」

 いちがいに林床整理が悪いとは言えない。目的の木を育てるためには、林床を整理しないと作業できないということもある。重要なのは、林冠を完全に閉鎖させないこと。

 カラマツの中のクリやナラなど、有用な(いけると言う)ものがあった場合、整理せず、おまけとして残せば、山が豊かになる。



 問い:「広葉樹には、材だけでなく、豊かなものを見る、という価値もあるのではないか」

 この時期(冬季)にその観点での選木は難しい。花や紅葉の時期にマークし、その周囲を明るくするという方法をとれば可能。現段階では木材生産で選木し、あとから移行する道もあるのではないか。


 質疑応答に続いて、班に別れ、各自雪の斜面で広葉樹施業を行った。

実際に広葉樹施業をやってみる


 2004年2月7日午後

信州大学農学部AFC助教授 加藤正人氏の講演:「生物の多様性に配慮した森造り」



 氏は、専門分野であるGIS利用の研究を行いつつ、15年間にわたり、休日を利用して自分で購入した7haの森造りを続けてきた。ここではその考え方や、どんな苦労があったかの紹介が行われた。



 氏が、森(つまり山)を買うきっかけとなったのは、20代の時に行った林家調査の際に、山林所有者から受けたある種の感動を、自分も人に与えてみたい、と思ったことだった。

 3年間の交渉の末、自宅から車で30分のところにようやく手に入れた所謂ボロ山に、出勤前に通い続け、日曜もなるべく半日は山へ行くようこころがけ、手入れしてきた。当初は道がついておらず、大変な苦労の末に5人の周辺所有者全員から道を入れるための承諾を得て、道を入れるにいたった。

 この道を入れる仮定で、補助事業としてもらう努力の他にも多くのことを学んだ。なかなか承諾のハンコを押してもらえない時、ある日、自分の山で採れたマイタケを持ち挨拶に行ったところ、ひとりの所有者が承諾してくれた。そしてひとりが承諾すると、他の全員も承諾してくれた。このとき「山とはこういうものなんだ」とわかったような気がした。森林利用関係のハンドブックを書かれている大橋慶三郎氏の人生哲学に「あせってはいけない」という一節があり、このことなんだと分かった。

 

 ここで、氏が大学で使っている資料「生物の多様性に配慮した森造り」の一部を、学生が朗読する。

 近年は画一的でない、地域の条件にあった多様な森造りが見られるようになった。独自の考えで森造りを行ってきた篤林家の森など、動物たちのいる豊かな森は、仕事をしていても楽しい。という内容。



 再び、氏の森造りの紹介。

 山に行くと出会いがある、ということが自分の視野を広げた。良い山を常日頃から見ることが基本であり、その良さを自分の山にもフィードバックすることが大切である。

 最初の5年ぐらいは、ひとりだけで山仕事をしていた。北海道なので、ヒグマも出るし、いろいろな怖い思いもする。やがて、人を森へ案内するようになった。最初は家族、中でも妻を連れて行くことである。女性を森にひきつけるためには、山菜が実利的であり、効果的である。

 次に友人たちに山を見せる。山には必ず何かがあるし、こうした手入れが誰でもできる、ということを示すことも重要である。グラフ用紙を利用し、イラストマップを作ると、分かり易い説明ができる。1センチ方眼を約10mとして作業すると作り易い。

 カナダのモデルフォレストでもイラストが活用されていた。どれも多くの生物が生息する、複数の森の楽しみ方を示しながら、木材生産もある領域できちんと行っている。



 山を買った当初は、馬力をかけて仕事をしていたが、やがてクタクタになってきた。山での作業も大切だが、山で何もしない時間も大切である。ただブラッと歩くのも良い。



 最後に地元で報道された、氏の山のビデオを鑑賞した。また、会場からの質問に答えて、購入当時の価格を披露した。当時30万円/ha。全部で210万円であった。


 2004年2月7日午後

独立行政法人森林総合研究所 鈴木和次郎氏の講演:「人工林を天然林に似た生態系に」

 この業界に30年間居るが、今ほど一般市民が森、林業に関心を持ち高い評価を与えている時代はない。林業へ期待が高まる半面、現場では木材生産の施業が踏襲され「なぜ変えなきゃならん」という空気がある。意見や意識が多様化し、それに応える管理が要求されるのに、その芽が出てきていない。自分がやらざるを得ない。関東森林管理局東京分局の森林センターが6〜7年前から、1000万haの人工林を不良債権化しないための取り組みを続けている。

背景には地球温暖化、脅かされる生物多様性、1000万haの人工林危機、機能低下、多様化への期待、社会的要請などがある。林野庁は2000年12月、林政改革大綱で「抜き切りを繰り返しつつ長期育成循環施業」とうたった。しかし本当に多様化につながっていくのか。議論がある。機能区分は森林認識の単純化と管理手法の平準化を生む危険性があるのではないか。目標林型は、林分管理の域を出ないのではないか。などだ。

 (徳島・剣山系の森林スライドを示して)ゾーニングで連携が図られていない。単一の施業体系を持ち込むと、個別林分の施業に対応するばかりで、大きな空間、多面的機能に対応していない。(吉野の木材生産地域のスライドで)単一の施業で多様な森林機能を生かせるのか。

 目的林型が混交林あるいは複層林として、総論はいいが、はたして目的林型とそれへの施業でできるのか。また混交林、複層林の明確な機能はあるのか。バックデータはあるのか。具体的に実行可能か。疑問に答える科学的知見、技術的経験はない。

 人工林の4割は複層化を図るとし、さまざまな補助金を付けた。しかし技術的に困難で、多大な労働集約が必要だ。下木を育成する受光調整がむずかしい。40〜50%もの下木が被害を受け、(上を)明けるより、下を安楽死させている状況だ。

 針広混交林も、同時に成長させるのは、生き方がまったく違い、むずかしい。十分手入れせず手抜きで針広混交林は困難。多面的機能を発揮する木材生産、森林管理を確立しなければならない。

 守るべき原則が3プラス1ある。

(1) 合自然の原則 豪雪の奥山など困難な地域に人工林はむずかしい。本来回避する。
(2) 経済性の原則 無駄をしない。必要なところへ投資する。
(3) 公益性の原則 無視してはならない。
(4) 生物多様性の原則 生態系における生物種の確保。

 もともと、始めの3つはあった。(4) は新しい概念。生態学的な知見を現場に生かす。情報はたくさんあるのに、十分生かされてなかった。

 針葉樹人工林における施業モデルを構築するにあたり、諸機能は動態に由来すること。最小単位を、数百haオーダーの生態学的単位とし、空間的な広がりを対象に管理すること。生態系の健全性を確保すること。を押さえておかなければならない。

 人工林は偏った生態系であり、育成、管理が必要だ。単一樹種でつくるから人為的な一斉管理が必要になる。天然林をモデルに、その組成、構造、動態を人工林施業に入れていく。天然林の、広がりを持った流域とか、階層構造とか、重層的自然林とか。人工林を天然林に類似した生態系にしていく。

 茨城県の大沢国有林の広葉樹導入試験地で、モザイク林の造成。水辺林の修復再生。ケヤキ展示林。という人工林の生態学的管理を試験している。

 大沢地区200haモデル林造成は、集水域の計画的管理をしている。等高データを解析すると、かなり空間的変化がある。個別立地は、いつのまにか23haになってしまったが、広葉樹育成区、針広2段林区、渓畔林保残区、針葉樹育成区の4つに細分。最適の場で、長伐期で木材生産をする。針葉樹育成は密度管理し、100年の長伐期でいま50年生スギ、ヒノキを育てている。この段階で将来性のある木を残す。間伐は、個体の肥大成長と森林植生の維持管理をするためのものである。水土保全、生態系の保存と健全性を確保する。

 水辺林の造成について。大沢地区では水際まで植林していた。本来の水辺植生は河川環境に大きな貢献をしているのに、それが損なわれていた。水生生物、とくに魚類に好適とはいえない。森林の役割が経済林であっても、河川周辺は外し、天然林化を図るべきである。河川周辺で小面積の皆伐を行い、3、4年生のハルニレを植栽したした。これは試験地近くにダムができ、ハルニレの集落が水没すると言うので、種をとって苗木を育てたものである。水辺林はみごとに再生した。

 試験地には路網を構築している。作業道は幅3m、両側3m、計10mを伐採し、広葉樹を導入している。スギ・ヒノキ一辺倒のモノカルチャーに、複雑な植生をつくりあげている。

 林地内には貴重な野生生物の生息地がある。谷地を重要と捉え、保護する。また、人工林に生息場をつくりあげる。誘導孔をあけた巣丸太を、8m吊り上げて斜めに固定。20個の巣箱を設置した。アオゲラが100%営巣木に利用してくれた。スギカミキリの駆除をしてくれる。人工林の中が、意外なほど住宅不足であることが分かった。

 スギカミキリの被害木を巻き枯らしにし、キツツキ類に来てもらうことを試行しているが、まだ成果はみえない。

 モザイク林の造成の紹介。筑波山複層林試験地(100年生ヒノキ人工林35ha)は、上木伐採をやらなかったため、ヒョロヒョロになっていた。伐倒して下木損傷がどれくらいになるか調べた。作業者が優秀なので、集材を含め20%で済んだ。通常では50%にもなる。魚骨型伐採で、かなり開いた形になる。帯状皆伐をこれからする。

 また持続的木材生産につなげるため、小面積の分散伐採をしてモザイク状にする。9haを帯に分割。20年ごと、5伐区ぐらいに区切る。伐期160年を設定しているが、60年後には複雑な森になっているだろう。

 皆伐の良さを取り入れて生産を図り、構造的には複雑化する。例えば100年〜20年までステージが違う林分の3段林をつくる。自然攪乱を人為的に持ち込む。20m伐採すれば側光が入り森林の健全性、多様性につながる。これがモザイク構造の考え方である。

 まとめ。せっかくある1000万haの人工林を不良債権化しないためには、

(1) 今日の森林・林業をめぐる資源的、経営的危機の原因解明。
(2) 地域的な森林資源の将来像を明確にし、具体的モデルを示す。
(3) 従来型の施業管理にとらわれず、目的に応じた経営管理方法を開発、導入する。
(4) 自然の掟を守り、林業の経営経済性を重視する。
(5) 生態系管理を基本に、景観レベルの管理区分とする。

 などがあげられる。
 結局、林業は木材生産が重要。環境管理重視が言われるが、木材の8割が海外から来る現実がある。

 北米、シベリア、オーストラリア…天然林が大面積伐採され、日本に輸出されている。地球環境は無視できないので、やはり自分たちで自分たちをまかないたい。なによりも森林施業に夢と誇り、自信を取り戻したい。



 2004年2月7日夕方

全員参加でフリートーキングセッション「明日の林業を考える」


 フィールドワークと座学を終え、参加者全員、食堂の床に車座で座り、フリートーキングセッションをした。

 仕事の苦労、山の楽しさ、むずかしさ、政治・行政への疑問…きたんなく、本音をぶつけあった2時間だった。(敬称や肩書き略。発言者の名前を記録しきれなかった部分もある。ご了承ください)。


丸山芳秀(司会):林業関係の長野県予算が1.5倍になり、友人は「お前のところ、景気いいな」という。しかし、仕事量は増えたが単価が下がり、施業は複雑化し能率は上がらない。果たして楽になったのか。

大月国晴:1年半前から林業をやっているが、こんなはずじゃなかった。たしかに仕事場は自然の中で気持ちよい。しかし金銭面では厳しくきつい。最低めしが食える林業にしてほしい。国の施策は、現場を考えていないと思う。

豊田浩太郎:いま広葉樹施業をやっている。環境考慮の施業なのかな。施業方法が複雑化しているのに、それに伴う賃金が支払われないことは多々ある。

丸山:経済性を考え、無駄なことをしないと言う指摘が講演でもあったが、広葉樹を植えることが、本当に必要なのだろうか。ほっといても出てくる。

小山泰弘:議論あるところだ。じゃ、広葉樹を植えるとき基本的に何を目標にしたか。きょうのフィールド、あの小さな山で50種ぐらいはある。どれを残すか。この木なんだろ?もいっぱいある。目標はたぶんある。木がないところでは植えるべきだろう。あるのに植える。その木を切って、その木を植えるなんてこともあるが。ケヤキの山にするために、ケヤキを植えていい。ウルシやリョウブなど大きくならない奴ばかりなら、大きくなるものを植えていい。河畔にハルニレを植える話があったが、あの地域にもともとあって、沢筋にあるものだからだ。「なんで」を詰めていかないといけない。

丸山:広葉樹も、針葉樹同様、将来用材になるのだろうか。

小山:必ずしも用材でなくていい。もともとその地域にあったものは、必要だ。

水野雅夫:広葉樹はあまりに種類が多い。コナラ、オニグルミ…バーっとふえる。広葉樹はあまりにてんでんばらばらだ。

丸山:広葉樹というくくりかたが大雑把すぎるのだろうか。植栽されている広葉樹はどんなものが多いのですか。

小山:一番はナラ(ミズナラ、コナラ)。次はケヤキ。あとは十把ひとからげで、クヌギ、クリ、ブナ、サクラ、カツラ、トチ…。木によって好みの場所が違う。その場に合っていて、自然環境に適していれば良い。

永田千恵子:広葉樹を経済目的で育林した例は?

小山:他県ではケヤキ。新潟や会津のキリ、伊豆のクワとか。薬のためのキハダ、ウルシとか。

水野:11月のフォーラムで藤森隆郎さんが、いい話をしていた。要するに、何を目的にするかだ。例えば目的が炭づくりなら、炭に適した木であり、それ以外は雑となる。

水野:僕の隣の村でミズナラを植樹した。ミズナラを切って(笑い)。目的にはたがわないが。

香山由人:目的は、ポイントだ。ヒノキもカラマツも、それぞれの目的があった。それが外れ、処理するというのだけでは、後ろ向きだ。何を目的にやっていくか。仕事増えても手取りが減る。変な仕事、何のためにやっているのか、という話があった。本当の目的は、みんなも分かっていないのではないか。予算が増えても、新しい目的に応じた仕事がなければならない。間伐してもだめなところで間伐したりしている。なんのための目的かは、今回の集まりの大きなテーマだ。針広6対4を変えようではなく、集水域とか、そういうことを考えないと。

丸山:県も四苦八苦しているが、まだまだ山の地主がどこへ行っているか分からなくて、地主1人のため現場が動かないような状況がある。境界線の設定でいい手を打ってくれない。

井上巌:不在地主には住所がわかる場合はDMを送っているが、達成率10%以下という状況だ。県でなく市町村で把握しているケースもある。広葉樹についていえば、僕は広葉樹を植えるの賛成ではない。例えば、広葉樹は直根を出してしっかり育つ。ところが、植栽するときは直根を切ってしまう。丈夫な山をつくるのに、植えるのはベストの選択ではない。わざわざ金を掛けて下手な山をつくるようなものだ。木を植えるのが必要な場合もあろう。時間との競争で、長いのを短くしてやろう、そのために植えることがあるだろう。

小山:1点補足する。針葉樹でも広葉樹でも、植える苗木がどこから手に入れているか分かっているか。針葉樹は結構分かっている。どこから種を採っているか、分かる。広葉樹の場合、法律規則もない。どこから来たか分からない。自然林つくるとしてどこから来た自然林か分からない。大きな苗木会社が韓国産クヌギを入れていたと聞いた。ちょっと恐ろしい話だ。

丸山:森林ボランティアの方々はフィールド確保が大変でしょう。地主とどう話をつけましたか。

永田:最初は大町で森の観察会を開いたのがスタートでした。感激して山主に再訪したいとお願いし、実現。初めて鋸で伐倒しました。間伐の大切さを教わり、施業する山も用意していただきました。次は地方事務所の林業体験講座に出たとき、財産区のひとから「手伝ってもらえないか」と頼まれました。3番目が明科町。地方事務所の林務普及係から「町が森づくりしてくれる人を探している」と聞きました。町の山でなく、1haもないような民有林で、地権者と町の意向は必ずしもマッチしているわけではありません。うまくやって行かないといけない。地区の方に山の歴史や山への思いを聞いていい友好関係ができた。

小林雅文:民有林を整備していくには、地主をいかに説得するかが大切だ。それにはモデル林を示すのが有効だ。広葉樹でも針葉樹でも80〜100年生の森を探しておく。そこへ地主さんを案内して見てもらう。森から学ぶのです。

丸山:地主の意識をいかに山へ戻すか。若い人に代替わりし、目を向けない山もある。林業はどちらかといえば閉鎖的な社会で、人がいないと言っている割には、呼ぼうとする努力が不足しているのではないか。

香山:私のところには月平均1人は来たい人がいる。「面白そうだ、山仕事創造舎」といってくる。だが目的ということがある。何のために林業をするのか、話していくうちに引く人は引く。山仕事をやろうとする人の目的と我々の目的が合えばよい。しかしまず長野県ということで来る人もいる。めざす目的ありやといえば、まだまだと思う。

参加者:僕は青年海外協力隊に入ったり、林学をやったが、まだ現場を知らない。なかなか踏み込めない。これからどう生きていくか。どうやっていくか悩む。

香山:林業へ入っていけない理由は?

参加者:やっぱり食えない不安ですね。

水野:「山仕事やれれば」だけなら、どこでもいい。どういう仕事ができるか、したいかを見つけないといけない。これからやる人は、まだ分かっていない。山仕事やるため田舎へ来る人と、田舎にいて山仕事をやる人は、まったく違う。まずやってみること、できるように割り切ることも必要だ。

加藤正人:自分の山、フィールドは住宅から車で30分以内が望ましい。どんなボサ山でもいい、放置林を所有者にアタックする。県など(の仲介)をあてにしてはだめ。きれいな山にするという熱意を所有者に伝えるんです。

島崎洋路:戦後、2000万haの木を伐った。外材が50%になるまで毎年60〜80万ha伐っていた。そのあと再生してきた林が1000万ha、人工林の手入れもできていない。回廊に参加している皆さんは、もうプロ。仕事としてどんどん腕を磨いてほしい。食えない業界に人を引っ張り込んでいるが、いまだれも辞めていかない。

香山:この不景気に、これほど仕事がいっぱいあり、ニーズがこれほどできている業界はない。ボランティア、これで食っている人、サポートする研究者。もしかすると日本でいちばん可能性がある業界かもしれない。「駄目だ」とだけ言う時代は、すでに終わっている。

水野:関東各県はボランティア活動がものすごく盛ん。そこで出てきたのは、プロとアマの住み分けを考えないとおかしなことになるという問題だ。国有林をフィールドとしてボランティアに提供する。林道で車を降りたら前が山。傾斜は緩く、岩も少ない。林業者にしたら、おいしいところだ。ふつうなら「もっと奥の山をやってくれないか、ここを付けるから」というようなところだ。おいしいところを押さえられ、プロは奥ばかりとなりかねない。ボランティア有償の仕組みも議論され始めている。林野庁などの文書に「森林ボランティア、NPO等」という表現がままある。そうなるとNPOには打撃だ。

香山:プロは傾斜30度以下では仕事しない。本当の山仕事人としてそのほうを選ぶとか。それなりの金は出してもらう。プロを評価する仕組みがほしい。素材生産はボランティアにはできない。そう思っていかないと、面白くない。NPOはNPO、ボランティアはボランティア。林業者全部が食っていける金はある。ただ、どこかに偏っている。

浜田久美子:ボランティアの広がり方はすごい。ボランティアというのはよく分からないところがあるが、愉快な山仕事も講座。無償のボランティアだが、私たちはプロの人たちにアクセスし、普通の人との接点をつくる。いかに裾野を広げるか。多くの人は森林のことを知らない。いい学びの場になっている。

参加者:林業で食う話があった。みなさん月いくらぐらいですか。僕は20万円ぐらいですが。

島崎:月20万円でも食えるよ。うちのほうは年棒300万円までいかん。200数十万円ぐらい。それでもIターンがすごい。

参加者:新潟は水準が安いから、山仕事は月10数万円。それで大丈夫だけど。

香山:鋸谷式で福井県では年収500万円という話があったね。

丸山:長野県は割合いいと思う。

水野:Iターンミーティングのとき、聞いたことがある。年収500万円が1位、次が470万円。2人とも伐採だった。あとは250〜240万円で、最低が150万円だった。都道府県で違うし、常用、日給、請負など雇用形態でも違う。あとは公共事業の元請けになれるかどうか。国有林の元請けとなれば、年収1500万円ぐらいになる。僕らは孫、ひ孫、やしゃごで半分ずつ減っていく。

香山:長野県は元請けになれる。書類をつくるだけだ。事務方の仕事、保険料などの積算システムになっている。長野県はできる。1500万円は難しいが、500万円ぐらいならできる。

丸山:機械を十分使うノウハウがあれば強い。高性能機械は、導入10年ほど。ノウハウまだ十分でない。ところで、県のAG(林業改良指導員)は数が少なく1人の担当が広すぎるのではないか。シルバー人材を起用してAGと連携できないか。

県:長野県はいま68人のAGを配置している。まあまあ優秀なほうだ。保安林でも治山事業でも改良指導員をあてにしていただき、みなさん声をかけてくれる。林業改良普及制度のサポートも検討が始まっている。県内に指導林家20人を配置している。相談してください。


 2004年2月8日午前 まとめの会

 7つの班に別れ、「自分のつくりたい山」という題材でのワークショップが行われた。職域や立場、居住地の異なる者どうしが一つの班を形成することで、各班とも、日頃自分の地域では考えることのできない、自由な発想の夢をイラスト化していった。


ワークショップの様子と、発表の様子



おわりに

 森林の回廊実行委員会は、以下のメンバーにより構成されています。

   ・信州樵工房&信州森林サポーターの会 (真田町)
   ・森倶楽部21            (松本市)
   ・NPO法人信州そまびとクラブ    (佐久市)
   ・長野の林政を考える会        (長野市)
   ・企業組合山仕事創造舎        (八坂村)
   ・北山の森応援団           (穂高町)
   ・寿さと山クラブ           (松本市)
   ・新建新聞社             (長野市) 


 次回開催は2004年11月。伊那地方での開催をもくろんでおり、すでに準備が始まっています。詳細情報は随時 http://www.kkuma.com/ に掲載されます。

<編集後記>
とある席で、国有林の古参職員(古狸)と若手の森林官(若狐)そして私(狢)が激論を交わした。若狐は、管内の保育間伐が手遅れ気味の状態の中、保安林(水かん)の指定を受けてでも、保育資金を確保し、森林整備を進めたいと主張し、古狸と狢は、そんなことをしたら、本来の経営から逸脱し、結果的により良い山づくりにつながらないと譲らない。若狐には、世間知らずの正義感と怒りがあり、古狸と狢には長い人生(獣生)経験からくる組織とか政策に対する不信感や諦めがある。若狐には、徹底した管理の下に、自分の目的とする森林を自ら作り上げたいとの希望(野心)があり、古狸たちには、所詮、森づくりに、人間の果たす役割など大してないと考える。論議は平行線なのだが、お互い主張が理解できるだけに、意気が上がらない。この業界の「アルカイダ」たらんとすることはなかなか難しい(狢)。

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