ホーム > シンポジウム

シンポジウム

森林施業研究会では、毎年、日本森林学会大会とあわせてシンポジウムを開催しています。
2020年以降、コロナ禍で日本森林学会大会が中止やオンライン開催となったため、シンポジウムの開催を見合わせておりましたが、今年は開催します。

第24回(2024年;東京農業大学):令和の皆伐・再造林は持続可能な林業なのか?

伐期適齢期を迎えた森林が多いことや、木材資源の安定的な確保の必要性など、様々な理由から、施策として皆伐・再造林が推し進められている。一方で、水土保全や生物多様性の観点から、皆伐・再造林への疑問の声や、造林未済地/再造林放棄地の存在も見聞きする。本研究会では、2023年11月に皆伐・再造林が進む宮崎県飫肥地域を舞台として、現地検討会(合宿)を敢行した。今回のシンポジウムでは、合宿の報告をきっかけに、ニホンジカへの対策、および林業という産業が根底に求めている持続可能性という視点から、令和の時代に進みつつある皆伐・再造林の意味を問い、今後の森林管理のあり方を議論したい。

日 時:2024年3月11日(月)  9:00~12:00
場 所:東京農業大学世田谷キャンパス 332講義室

話題提供
1. 宮崎飫肥合宿の総括:ケーススタディとしての宮崎県
  櫃間 岳(森林総合研究所森林植生研究領域 / 施業研究会事務局)

2. 今後の森林管理においてニホンジカとどのように向き合うべきなのか?
  飯島勇人(森林総合研究所 野生動物研究領域)

3. 「現代の短伐期皆伐造林」の根本を問う-持続可能な森林管理に照らして-
  藤森隆郎(元森林総合研究所・森林環境部長)

 

過去のシンポジウム

第23回(2019年;朱鷺メッセ):技術論で考える低コスト林業

林業、とくに更新から初期保育のステージでの低コスト化の必要性が叫ばれ、これについては異論はないであろう。一方、技術的視点から見たとき、その取り組みの妥当性はどこまで検証できているだろうか。このシンポジウムでは、低コスト化の取り組みの事例として低密度植栽、下刈り回数の削減、広葉樹への転換について話題を提供し、技術的視点から「低コスト林業が目指す林業は、はたして持続可能な林業経営につながるのか?」を議論したい。

日 時:2019年3月23日(土) 9:00~12:00
場 所:新潟コンベンションセンター「朱鷺メッセ」301A

1.過去の低密度植栽から考察してみた・・・・・・・平野辰典(関東森林管理局)
2.下刈り回数の削減はどこでも可能か?・・・・・・山川博美(森林総合研究所)
3.広葉樹林への転換は低コストでできるのか?・・・島田博匡(三重県林業研究所)

総合討論:低コスト林業の技術的妥当性と展望

シンポジウム記録(ニュースレター No.71)

第22回(2018年;高知大学):早生樹は林業の救世主になり得るか?

昨今、早生樹造林の機運が高まりつつある。各地で、地域に合った早生樹の探索、その造林や育苗の試験が試みられ、植林も行われ始めている。はたして早生樹は、林業界の救世主となり得るのか。このシンポジウムでは、早生樹造林に関する研究事例の報告をいただき、早生樹造林の可能性や課題を議論したい。

日 時:2018年3月29 日(木)9:00~12:00
場 所:高知大学朝倉キャンパス 共通教育棟1号館127講義室

1.「早成樹造林」とは何だったのか・・・・・・・・垰田  宏
2.熊本県におけるセンダン育成技術の開発・・・・・横尾謙一郎(熊本県林業研究指導所)
3.有用広葉樹としてのオニグルミの可能性・・・・・陶山 大志(島根県中山間地域研究センター)
4.早生樹としても期待できる次世代スギ精英樹・・・江島  淳(佐賀県林業試験場)

シンポジウム記録(ニュースレター No.68)

第21回(2017年;鹿児島大学):コンテナ苗は再造林に最適な苗木といえるのか?

皆伐後の再造林におけるコンテナ苗への期待は大きく、苗木生産から植栽まで多くの研究が集中的に行われ、並行して現場への導入も進められている。多くの知見が集まりつつある今、コンテナ苗が再造林に適しているのかどうか考える。

 1.伊藤 哲(宮崎大学)「低コスト再造林とコンテナ苗」
 2.長倉良守(長倉樹苗園)「コンテナ苗生産の現状」
 3.壁谷大介(森林総合研究所)「全国で評価した植栽後のコンテナ苗の成長」
 4.渡辺直史(高知県立森林技術センター)「コンテナ苗の林地保管後の活着と成長」

シンポジウム記録(ニュースレター No.66)

第20回(2016年;日本大学): 地域を代表する広葉樹林をどう保全するか

田村 淳 :丹沢モデル-シカからブナ林を守る神奈川県の取り組み-
上野 満 :山形県におけるナラ枯れ被害と対策
小山 泰弘:保全すべき対象とその方法を考える-ブナを例として-

シンポジウム記録(ニュースレター No.64)

第19回(2015年;北海道大学): 北海道から択伐林施業を考える

石橋 聡 :北海道における天然林択伐施業の可能性と今後の方向-持続的管理の観点から-
吉田 俊也:林床にササが優占する天然生針広混交林における択伐施業
(渡邉 定元:択伐作業理論の展開)

シンポジウム記録(ニュースレター No.62)

第18回(2014年;大宮ソニックシティ):「大きな林業」と「小さな林業」~施業のスケールと多様さを考える~

藤野 正也:ビジネスモデルで見る大きな林業と小さな林業
長池 卓男:林業と生態的な森林管理でのスケールメリットを考える
横井 秀一:林業の規模は施業と木材生産のあり方にどう関わるか

シンポジウム記録(ニュースレター No.59) ※新しいウィンドウが開きます

第17回(2013年;岩手大学): 林業の持続と森林の更新 ~伐採回帰の中での更新技術の役割~

岡 裕泰  :なぜ皆伐・更新が必要か?-森林経営・林業経済学的な解釈-
三田 林太郎:森林とまちとのつながりを考えるための森林経営と造林技術
長井 美緒 :行政からの更新技術・方針への提案
櫃間 岳  :求められる造林技術-その費用と効果-

シンポジウム記録(ニュースレター No.57) ※新しいウィンドウが開きます

第16回(2012年;宇都宮大学): 林業の歴史に学ぶ ~未来のために過去を活かす~

熊崎 実 :人工林施業の史的展開と今日的課題
太田 敬之:秋田天然杉択伐施業史にみる理想と現実
渡邊 定元:択伐林施業の失敗の歴史から学ぶ長伐期人工林施業の展開-将来木施業の択伐理論展開-
平野 辰典:大正初期における国有林経営から明日の森林施業を考察する
正木 隆 :研究データ考古学・・・発掘と復元の実践
小山 泰弘:江戸の巨木林を再現する
泉 桂子 :古い資料はあなたの役に立つ!

シンポジウム記録(ニュースレター No.54) ※新しいウィンドウが開きます

第15回(2010年;筑波大学): 機能発揮を目指した森林整備 ~その現状と技術的検証~

桜井 尚武 :機能発揮と森林整備の役割
戸田 堅一郎:治山事業における森林整備
岡崎 時春 :地球温暖化対策に関する森林・林業の役割
小宮 芳男 :神奈川県の森林保全とそれを目指した森林整備の歩み
池田 伸  :列状間伐は特効薬となるか

シンポジウム記録(ニュースレター No.48) ※新しいウィンドウが開きます

第14回(2009年;京都大学): 技術的視点から見た伝統林業の現状と将来

高橋 絵里奈:吉野林業の現状と未来
大洞 智宏 :今須林業の現状と未来
小谷 二郎 :能登アテ林業の現状と未来
岩田 義史 :北山林業について
中原 丈夫 :専業林家の新たな取り組み(生き残り戦略)

シンポジウム記録(ニュースレター No.44) ※新しいウィンドウが開きます

第13回(2008年;東京農工大学): 森林施業研究会・森林計画学会合同シンポジウム ―計画と施業を結ぶ―

松村 直人 :海外の動向も視野に入れた計画制度と施業の関わりについて
藤掛 雅洋 :林業の現場における森林計画(林学と林業の間にあるもの)について
近藤 洋史 :森林組合の現場におけるGISの活用の実態について
香山 由人 :民有林管理・経営の立場から見た森林計画制度について
田米開 隆男:国有林における森林計画制度の機能性と課題について
白石 則彦 :森林計画制度の今後の動向について

シンポジウム記録(ニュースレター No.41) ※新しいウィンドウが開きます

第12回(2007年;九州大学):「強度間伐」で勝負をする?

横井 秀一:強度間伐は難しい(技術論として)
谷口 伸吾:強度間伐はできる(技術論として)
大住 克博:強度間伐は問題だ(政策・経営論として)
山田 隆信:強度間伐でいこう(政策・経営論として)

シンポジウム記録(ニュースレター No.37) ※新しいウィンドウが開きます

第11回(2006年;東京農業大学): 改めて、林業と自然保護問題を考える

茅野 恒秀:自然保護活動の最前線 -赤谷プロジェクトのとりくみから-
中岡 茂 :林業再生と自然保護は調和する
河野 昭一:生態学者がみた日本の森林管理の在り方 -自然保護の現状と将来を問う-

シンポジウム記録(ニュースレター No.32) ※新しいウィンドウが開きます

第10回(2005年;北海道大学): 森林の保続 ~資源・機能・技術そして人~

石橋 聡 :森林資源の保続
中村 太士:森林機能の保続
酒井 秀夫:大学演習林における技術の保続・継承
高橋 武夫:国有林現場における技術の保続・継承

シンポジウム記録(ニュースレター No.28) ※新しいウィンドウが開きます

第9回(2004年;東京大学): 長伐期施業の可能性を探る

竹内 郁雄:高齢級人工林の成長と成長予測
澤田 智志:秋田地方におけるスギ人工林の長伐期施業
大場 孝裕:人工林の高齢大径化に伴う野生動物の生息場所形成
石神 智生:長期育成循環施業の試み

シンポジウム記録(ニュースレター No.24) ※新しいウィンドウが開きます

第8回(2003年;岩手大学): 緑のリハビリ・癒しの林学

長坂 有  :魚を育てる森林づくり -水辺林の再生と修復-
正木 隆  :世界遺産周辺地域の自然林の再生と技術的な問題
鎌田 磨人 :人工林の皆伐跡地における自然林の再生
渡邊 定元 :富士山再生
金指 あや子:広葉樹の植栽導入における生態遺伝学的諸問題(問題提起)

シンポジウム記録(ニュースレター No.20) ※新しいウィンドウが開きます

第7回(2002年;新潟大学): 脱ダム宣言と森林整備

大熊 孝 :「脱ダム」宣言の背景と構想
小山 泰弘:長野県「森と水プロジェクト」の概要
柳井 清治:流域の森林整備における技術的課題
相浦 英春:荒廃林地再生の課題

シンポジウム記録(ニュースレター No.16) ※新しいウィンドウが開きます

第6回(2001年;岐阜大学): 森林の機能区分と適性配置

伊藤 哲 :GISは森林管理にどこまで使えるのか?
長池 卓男:植物の多様性からみた森林の機能評価と配置
池田 伸 :機能区分と配置を考慮した森林管理の取り組み

シンポジウム記録(ニュースレター No.12) ※新しいウィンドウが開きます

第5回(2000年;日本大学): 複層林は是か非か? その可能性と問題点を探る

藤森 隆郎:複層林施業とは-その意義と問題点-
竹内 郁雄:複層林施業は可能か?
藤江 達之:林野行政における複層林施業の位置づけ

シンポジウム記録(ニュースレター No.9) ※新しいウィンドウが開きます

第4回(1999年;愛媛大学): 間伐をめぐる新たな視点

玉井 重信:生産生態学の視点から見た間伐理論の検証 -定性間伐と定量間伐-
清野 嘉之:人工林の生態系管理における間伐の役割
金澤 弘行・山崎 俊彦:間伐の現状と推進の手立て(行政)
白川 哲也:間伐の現状と推進の手立て(事業者)

シンポジウム記録(ニュースレター No.5) ※新しいウィンドウが開きます

第3回(1998年;宇都宮大学): 森林の多目的利用と施業・管理

柳井 清治:河川生態系を保全する水辺林の造成
石田 健 :野生動物との共生を目指す森林施業
中川 重年:都市近郊林の利用と管理施業

シンポジウム記録(ニュースレター No.3) ※新しいウィンドウが開きます

第2回(1997年;九州大学): 森林施業の研究の新たな方向を探る研究集会(天然更新・天然林施業)

中川 昌彦 :北海道の天然林施業の現場から
鈴木 和次郎:ブナの母樹保残法は成功したのか?
長谷川 幹夫:育成天然林施業の実践と課題
赤井 龍男 :ヒノキの天然更新法は確立したか?
伊藤 哲  :あいまいな天然林施業を再考する

シンポジウム記録(ニュースレター No.1) ※新しいウィンドウが開きます

第1回(1996年;筑波大学): 森林施業の研究の新たな方向を探る研究集会(人工林施業)

鈴木 和次郎:森林施業研究の流れ-Eco-forestryへ-
竹内 郁雄 :下刈り・ツル切りなどの初期保育研究は終わったのか?
水永 博己 :おもちゃ(モデル)で遊ぶ間伐の世界-コンピューターの中の木を伐ると-